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電源開発と紀宝町の「協定書」

これまでも、新宮市と電源開発(新宮市を流れる熊野川で発電事業を営む企業)のやりとりについて問題提起を行ってきました。
現在も市民に対しては一切説明がなく水面下で協議が行われるなかで、再度問題提起をしたいと思います。

電源開発が、紀宝町と結んだ協定書の内容が分かりましたので、掲載します。
分かりやすくするため、「甲」→紀宝町、「乙」→電源開発と書きなおしています。また、黒塗りだった部分は長さに関わらず「■■■」と表現しています。(下に協定書の写しの画像も添付します)


協定書

紀宝町と電源開発株式会社とは、■■■に関し、以下のとおり協定を締結する。

第1条 電源開発株式会社は、■■■にあたり、紀宝町が行う事業に関し、紀宝町の負担額の一部を負担協力するものとする。

2 紀宝町の事業は次のとおりとし、その概要は別紙のとおりとする。

 (1)■■■
 (2)■■■
 (3)■■■

3 紀宝町は、別紙事業内容に大幅な変更が生じた場合には、当該事業の着手前までに電源開発株式会社に連絡するものとし、本協定における取扱いについて、別途紀宝町・電源開発株式会社間で協議・決定するものとする。

第2条 電源開発株式会社は、前条の協力として金160,000,000円を負担するものとし、本協定締結後、紀宝町の求めに応じ一括支払うものとする。

第3条 紀宝町は、紀宝町の事業のうちのそれぞれの事業が完了した後、事業完了の報告書類と併せて最終的な工事費実績の証憑類を添付のうえ、毎年度5月末までに電源開発株式会社に報告するものとする。

第4条 紀宝町および電源開発株式会社は、本協定の締結により、紀宝町の事業並びに■■■に関する電源開発株式会社の負担協力は全て解決したことを確認し、紀宝町は今後電源開発株式会社に対して、名目の如何に関わらず一切の異議申立て並びに請求・求償を行わないものとする。

2 紀宝町は、紀宝町の住民、議会、その他関係者から■■■に関し意見等がある場合には、自らの責任を以って解決を図るものとし、電源開発株式会社に迷惑をかけないものとする。

第5条 紀宝町は、電源開発株式会社の発電所の運営に今後とも協力するものとする。


 

この協定書は、平成27年12月に結ばれたもののようです。電源開発の水利権の更新後(水利権更新は平成27年6月)です。

新宮市においては、現時点では協定は結んでいないのではないかと思います(議会は何も報告を受けていません)。議員に対しては、市から議員説明会という形で電源開発の協力の説明はありましたが、部分的な説明です。資料を持ち帰ることすらできていません。また、内容は非公開となっており、市民に対しては全く伝わっていません。

電源開発が紀宝町と結んだ協定書は、黒塗りで分からない部分も多くありますが、1億6000万円の協力金の対価として紀宝町に相当のことを求めています。
新宮市はどうするのでしょうか? 市が、このまま市民に対して何も公開しないまま、電源開発との議論を進めていて良いのでしょうか。

非公開の姿勢を崩さない田岡市長に、議論の公開を求めたいと思います。

0001-5 0002-1

0003 0004

【参考】
ブログ(2016/9/3):電源開発発株式会社からの新宮市に対する協力について

ブログ(2016/2/15):どうする。電源開発からの「協力金」

議会議事録:
(平成28年度6月議会で、並河が電源開発と市の協議について質問した際の市長とのやりとり)

◆並河
新宮市ダム対策臨時専門委員設置要綱というものが告示されております。これは、私自身、この3月3日に告示されたということは全く知りませんでした。お手元の資料のほうに、1枚目の裏のほうにダム対策臨時専門委員ということで記事があります。これは、二十数年前に池原ダムの水利権の更新が行われたときに、当時の田阪市長が、議会の前に記者会見を行って、ダム対策臨時専門委員をつくったということです。
3月3日に告示されて、公式に告示されていたこの臨時専門委員、私自身、実は全くこのタイミングでできていたということは知らなかったのですが、市長は、これは公表されているということで、告示されているということはダム対策臨時専門委員ができているということ、公表されているということでいいんですよね。
◯企画調整課長
並河議員言われますように、3月3日に設置して、委員の皆様には3月7日で委嘱をしているところでございます。
◆並河
わかりました。
ちなみに、この委員の方の役割なんですけども、実際に中身については、議会の中でやはり聞こえてきますので、5名の先輩議員の方が、これまでの経験に基づいてしっかりとこのダムの対策に当たっていくということで僕は理解しています。そして、それに既に努力していただいているということも理解しています。いろいろと教えていただきたいとそれは思っています。しかし、ここでお聞きしたいのは、やはりこういった方式でできているものが全く、告示されてるとはいえ、知らずに始まっているという形は、これは市長が委嘱するという形をとられてると思いますので、市として、行政として、こういった形でやっていくのはどうでしょうかということでの質問でした。市長、このダム対策の臨時専門委員たちにお願いしている役割というのはどういったものですか。
◎市長
ダム対策に係る諸問題解決に向けた調査研究、さらには助言をお願いしているところであります。
◆並河
諸問題の研究という部分なんですけども、この二十数年前につくられましたダム対策の臨時専門委員というのは、この電源開発との協力金の交渉に当たるということで集められております。今後、新宮市として、またどういった形でダム対策臨時専門委員たちに、何をお願いして、どうやって進んでいくのかというところは、まだはっきりと見えてきていないところもありますが、1点だけ市長に確認したいことがあります。
二十数年前のときには、この協力金というものを電源開発から受け取る際に、確約書なるものが交わされていたということです。新宮市として、今後もし、何らかの形で電源開発からこういった話があり、協力金はどうするかという話になった場合に、何かこういったようなものを書面で交わしていくのかなと思います。そういった書面で何かを交わすという、行う場合には、ぜひそれよりも前に、交わす前に、議会に対してどういった中身になるのか、どういったものなのかということを公表していただきたいと思うんですけども、いかがでしょうか。
◎市長
今、お願いしております臨時専門委員と相談させていただきたいと思います。
◆並河
市長にしっかり御認識していただきたいのは、あくまでも、これは市長が委嘱して臨時専門委員となっていただいているということです。全く、確かに議員の方々になっていただいてると思うんですけども、議会ではありません。ですので、もちろん御相談は必要だと思うんですけども、しっかりと情報開示を議会に対して行っていただけるようにお願いしたいと思います。