月別アーカイブ: 2015年12月

行政も、議会も、こんな状態で良いのだろうか

よくありません。

 

この12月議会でぼくは、市が議会に認めてもらおうと提案した、1106万円の崩れた市道の復旧費用を「現時点では認められない。無くすべきだ」と言いました。

堅い言葉でいうと、補正予算の修正案を提出しました。

 

「市道が崩壊してしまったら、その復旧を急がないといけないのに、なぜそのお金を認めようとしないのか?」そう思われる方もいらっしゃると思います。
通常であればそうですが、今回は、違いました。しっかり理由を説明しておきたいと思います。

新規ドキュメント 78_1

<どんな工事のためのお金?>

この予算の名前は、「広角高森線路肩復旧費分担金」。市道広角高森線の路肩が崩壊してしまい、それを復旧するためのお金です。

今回の広角高森線は市の道路ですので、普通であれば市が発注者となり工事をします。

しかし今回の場合は、隣の土地の所有者の方による工事が、市道崩壊の一つの原因となったため、道路法に基づいて、原因者に復旧工事をさせるという形がとられました。

このため、発注者は隣地の所有者となり、市は復旧工事をさせる隣地所有者に対して、市としても負担すべきと判断した金額を支払う、という形を取りました。

 

<なんで、ダメだと言ったか?>

このお金を現時点では認められないとぼくが言った理由(修正案を提出した理由)は、4つありました。

  • 1つ目は、崩壊の原因の割合が、不明確のままであり、市の負担額が適切であると判断できないこと。
    市は、隣地の所有者による工事、市道を支える石垣の老朽化(維持・修繕を怠っていた)、雨、の3つが崩壊の要因としています。しかし、原因の割合については明らかになっていません。負担費用については、原因の割合から算出したものではなく、市が崩壊前に古い石垣を、今の基準に合うコンクリートブロック積みにした場合にかかる費用となっています。
    つまり、隣地所有者と市で、崩壊に対してどちらがどのくらいの影響を与えたのかを明確にはしていないのです。
    これでは、市が払いすぎている(もしくは、もっと支払わなければならない)可能性があります。

 

  • 2つ目は、「緊急であったために、今回のような(疑問点の多い)対応になった」という市の説明では、十分な説明になっていないこと。
    路肩が崩落したのは2015年8月25日です。議会での最終日の審議は12/17。4ヶ月近くが経過しているのです。「緊急的な対応」とは認め難い状況でした。また、数日で揃えられるはずの、道路法に基づく必要書類も、議会の時点では未だ作成されていませんでした。

 

  • 3つ目は、予算(市として工事に使うと決めているお金)がまだ無いのに、市の負担額を先に取り決め、工事がすでに始まってしまっていたこと。
    予算が先に議会で決定されてから、工事がはじまるのがあるべき形です。しかし、今回の予算は、工事を先に開始して、事実上は議会に対して追認を迫るものでした。(地方自治法232条の3に反している疑いがあります)

 

  • 4つめは、市が現在進めている道路法に基づく手続きも、本来あるべき形ではないこと。
    市が「市道の維持修繕の義務を怠っていた」ことも原因として認めてしまっているならば、今回の予算のように「分担金」として支出するのではなく、国家賠償法に基づいて「賠償金」として支払うべきだということです。この賠償金を支払う場合には、別途議会の議決が必要になります。(下の図で、現在市が進めている形が「A」。本来あるべき形が「B」)

0001 (2)

 

<結果はどうなったか?>

結果として、修正案に賛成したのは4議員。

それ以外の11議員の方が、市の案に賛成し、今回の復旧費用は認められてしまいました。
認めた議員の中には、「法令には反しているかもしれないが、地域住民の利便性が優先する」という方もいました。
この市道の部分は、片側通行にはなっていますが、通行することは可能であり、また反対方向からすぐに国道に抜けることもできます。確かにご不便はおかけするかもしれませんが、致命的な状況ではないでしょう。

原因の割合が不明確ということは、市が払うお金が多すぎる(あるいは少なすぎる)可能性もあるということです。これだけの、まだ不明な点が残されたままという問題、法令にも則った手続きの形ではないという問題があるにも関わらず、1000万円を超えるお金が使われることになります。議会の持つ一つの重要な機能、チェック機関として最後の最後まで審議をつくすことが、到底できている状態ではありません。

行政も、議会も、市民の方から預かっているお金を使う立場として、こんなことであってはいけない。

新宮市は、今、とても憂うべき状況にあります。

この状況を放置せず、どれだけの方に関心をもっていただけるかが、今後の新宮市を少しでも良くする方法だと思っています。

 

広角高森線については、以上です。12月議会の報告は、次回に続きます。

幼稚園の申込み締め切り、延長。

幼稚園の保育料について、11日の教育民生委員会を踏まえての報告です。
 
 
①幼稚園の申し込み締切日が、12/11から、12/18に延長されました。
http://www.city.shingu.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=31580
 
法改正に対応できていなかったために、今年度の保育料に返金が発生することになったり、来年度からの保育料が未確定のまま申し込みを開始せざるを得なくなり、保護者の方に混乱を生んでしまったためです。
 
 
②現時点でも来年度の保育料は確定ではありませんが、写真の通り窓口でお示していた(案)よりも高くなることはないと思います。

幼稚園保育料案
(確定でないのは、12月議会終了後も、市役所内部や子ども・子育て会議、議会などで議論されていくことになるためです。本来であれば、確定した上で募集をするべきものですが、新法に合わせた保育料の改定ができていなかったために、このような事態になっています。大変申し訳ありません。)
 
基本的には、新法に基づき、
・所得に応じた額(金額は上記の通り確定ではないですが)になり、
・小学校3年生以下に兄姉がいる場合、その3年生以下の兄姉から数えて第2子は半額、第3子は無料になります。
 
 
引き続き、報告していきます。

 

幼稚園保育料で、新宮市と市教育委員会が陳謝

紀南新聞20151209

幼稚園の保育料に関し、新宮市と市教育委員会が昨日記者会見を開き、陳謝しました:
http://mainichi.jp/articles/20151208/ddl/k30/010/484000c

記者会見以前にあった文書による記者発表の際の記事:
http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=305909&p=more

保育料に関する条例案は、11日に予定されている教育民生委員会でも審議されます。

28年度の幼稚園および保育所の入園申し込み期間中にも関わらず、幼稚園保育料が確定していないままの状態です。
保護者のみなさんには大変申し訳ありません。

ご意見を募集しています!【幼稚園保育料改定案】

12月1日付で、新宮市の公式サイトに「平成28年度市立幼稚園の保育料について」という見出しで、保育料の改定案についての周知と、それに対する意見を募集しているページが開設されました。

http://www.city.shingu.lg.jp/forms/info/info.aspx?info_id=37933

先日記事に書いたような、改定案がでるにあたっての経緯にはここでは触れられていません。

しかし、現在議会も含めリアルタイムで改定案が検討されているところでもあります。

ぜひご意見をお寄せいただければと思います。よろしくお願いします!

(市の方に直接言いにくいなどご事情があれば、並河 tetsuji.namikawa@gmail.com 090-5058-8289までご連絡いただいても大丈夫です。<全角@は半角@に変えてください>)

12月定例会 一般質問は何を聞く?

今回の一般質問、並河は8番目です。
9日の午後遅めか、10日の午前中からの質問スタートになりそうです。
通告内容は下記です!
 
ーーーー
 
1,随意契約について
①実態調査および改善は進んでいるか
 
 
2,膨らみ続ける市の経常経費
①変わる市長の答弁と、その重み
②文化複合施設のランニングコスト
③経常経費を増やすプロセス、減らすプロセス
④事業仕分けの必要性
 
 
3,幼稚園保育料の問題について
①法律改正に未対応だったことの問題認識
②責任は誰にあるか
③原因はどこにあるか
④何を、どのように改善するか
⑤どうやって料金を決めるか